
普段の生活を振り返ってみると、Google、Facebook、Microsoft、Netflix——よく使うサービスのほとんどがアメリカ発です。
では日本発のサービスはどうかというと、LINEが代表例として挙がりますが、実はあれも韓国の検索プラットフォーム「NAVER」の日本法人がリリースしたもの。アイデアのルーツは韓国にあります。
今回は「なぜ日本から新しいWebサービスが生まれにくいのか」についてお話ししたいと思います。
韓国発サービスが「業界ごと変える」理由
最近、フードデリバリー領域で「ロケットナウ」というサービスが東京・大阪・名古屋を中心に広がっています。これも韓国発のサービスです。
このサービスが注目される理由は、ビジネスモデルそのものが違うからです。ウーバーイーツなどの既存サービスは店頭価格とは異なる価格設定で、配送料やサービス料が加算されます。(最近は店舗と同一価格の商品も出てきましたが)
一方ロケットナウは、お店と同じ価格で注文でき、配送料かサービス料のどちらかが無料——つまり「お店に買いに行く感覚」でデリバリーを使える仕組みです。韓国ではこういった形のフードデリバリーがすでに当たり前らしく、それを日本に持ち込んだ形です。
対して日本発のフードデリバリーサービスはというと、どれもウーバーイーツのビジネスモデルを参考にした「二番煎じ」の印象が拭えません。業界のルールを変えようという発想が、日本からはなかなか生まれてこない。そこが残念に思うところです。
なぜ日本から生まれないのか——2つの構造的な理由
ではなぜ、日本からこういったサービスが生まれにくいのでしょうか。大きく2つの要因があると考えています。
① 規制が多すぎる
日本は既存の法律や規制が積み重なっており、今あるビジネスモデルを「ぶち壊す」ような新しいサービスを立ち上げようとすると、いたるところで壁にぶつかります。結果として、既存のモデルをトレースするしかない状況になりがちです。
② 新しいものが叩かれやすい
アメリカのピクサーやディズニーの作品を「ダメだ」と攻撃する人はほとんどいません。しかし日本人が作ったサービスや作品には、作り手に直接矛先が向きやすい。新しいことへの挑戦が、叩かれるリスクと隣り合わせになっているのです。
この2つの問題が重なることで、スタートアップを目指す人が増えにくくなっています。
スタートアップの本質は、既存のビジネスモデルを覆し、そこで生まれる価値を取りにいくことです。しかしそれが難しい環境では、起業のハードルは年々上がるだけ。結果として会社員の道を選ぶ人が多くなり、挑戦する人が減っていく——という悪循環が生まれています。
補助金を出してスタートアップを増やそうとしても、土壌が整っていなければ意味がありません。必要なのは規制緩和という政治的な動きと、「日本人がやっているから叩く」ではなく本質で評価する文化へのシフトです。
少し哲学的な話になりましたが、何か考えるきっかけになれば嬉しいです。