【書評】改革のファンファーレ 現代のお金と広告

「えんとつ町のプペル」で話題になった西野亮廣さんのビジネス書「改革のファンファーレ 現代のお金と広告」を読んでみました。
西野さんが絵本のベストセラーを作るにあたっての「戦略」や「戦術」が記されており、絵本だけじゃなくて、他の業界にも通じる考え方だなぁと思いました。そこで少し長くなりますが自分用のメモを兼ねて、読みながら考えたことをつらつらと書いていこうと思います。


分業制にできる職業
p26 l7 業界の構造上、絵本は「一人で作る」以外に選択肢がない(中略)絵本を一人で作らせている原因のド真ん中に「お金」という問題があった。
これってYouTuberの業界でも同じだと感じました。チャンネルの規模が大きくなって、分業制で運営しているYouTuberも増えてきました。HIKAKINさんのように、こだわりのため分業制にしたくない人もいますが、「分業制にできる作業」は「安定した収益が見こめる事業」ということになります。



有名になることと信用を得ること
P39 l1 「好感度」と「信用」、「認知」と「人気」はそれぞれまったく別物だ。
 
p50 l7 自分の意思を明確に表明するためには、意思を明確に表明できる環境を作っておく必要がある。
「認知、有名(好感度)⇔ 人気、信用」。インターネットが発達し、自分の想いややりたいことを気軽に発信できるようになった今の時代では、誰かに好かれるよりも、自分の軸を強く持って発信しつづける方が大切だと感じています。



僕たちが嘘をつく理由
p44 l12 嘘は「感情」でつくのではない。我々は「環境」によって嘘をつかされる。
「人は感情ではなく、環境で嘘をつく」。もし、自分がいる場で誰かが嘘をついたら、自分が威圧的になっていないか、相手が自分のことを恐れていないかなど見直してみる必要があるなぁ。



インターネットがもたらした価格競争
p68 l4 スマホ状で見比べることができるようになった人達は「2000円で何を得ることができるか?」を知っている。
堀江さんがゼロの中で「インターネットはすべてのものを水平に並べてしまった」とおっしゃっている通り、モノの価値感覚は、1つのジャンル内ではなく、あらゆるジャンルの中で再定義されるようになったんだなと感じます。今まで2000円で売れていたからといって、これからも同じ値段で売れる保証はないということです。



フリーミアムという戦略
p106 l7 「全てのサービスには、利用したその瞬間にお金を支払うべきだ」ということが常識となっている人からは、当然、入り口が無料のツイッターやグーグルやヤフーやテレビといったアイデアは出てこない。
 
p111 l4 「フリーミアム」というのは、ウィキペディア先生によると、「基本的なサービスや製品は無料で提供し、さらに高度な機能や特別な機能については料金を課金する仕組みのビジネスモデルである」
 
p112 l3 こういったヤリ口は大昔からあったんだけど、これがインターネットと掛け合わさった時に大化けした。
 
p119 l7 絵本というものは、ネタバレしてようやく「買う・買わない」を判断してもらうスタートラインに立てるのだ。
スーパーの試食や無料サンプルなどのフリーミアム戦略は、インターネットと相性がよく、さらに絵本業界と相性がいいそうですが、こういった既に行われている戦略でも、相性の良いものは他にもありそうだなぁ。そこがビジネスチャンスになったりして……。
 


常に思考をやめないことが生存戦略
p123 l2 感情に支配されず、常識に支配されず、お金に支配されず、時代の変化を冷静に見極め、受け止め、常に半歩だけ先回りをすることが大切だ。船底に穴が空き、沈んでいく船の、”まだマシな部屋”を探してはいけない。最後に水に浸かる部屋を奪い合ってはいけない。今の状況を正確に捉え、生き延びることが大切だ。
SHOWROOMの前田裕二さん曰く、「サービスやUIに対するお客さんの反応などは、常に「方程式の解を導く」繰り返しだ。そのときに必要なのは「仮説思考力」で、明日どうなるかわからないと問題に対して、仮説を立てて論理の飛躍を埋める力が必要。」と。常に社会情勢を知り、常に最適解を探すことが、これからの時代必要になってくると思われる。



人を巻き込む方法
p128 l8 人が時間やお金を割いて、その場に足を運ぶ動機は、いつだって「確認作業」で、つまりネタバレしているモノにしか反応しない。
多くの人は保守的で、思っているほど人は動かないものです。USJや展覧会の行列やハロウィンの活気なども、なぜあれだけ人が集まるかと言えば、USJの楽しさを知っているし、ハロウィンでどんなことをするのか知っているから。逆に言えば、知っているものにしか反応しないからこそ、局地的に人が集まるスポットができると思います。
家入一真さんが以前Twitterで「自分のやりたいことがあるなら、他の人がやっていることを手伝うのは当たり前。他の人を手伝っているうちに、自分のやりたいことにも協力してくれるようになるから。」と発言していたけれど、これも「その人がどういう人か」という確認作業を経て、協力してくれるのかもしれないですね。



無料公開で物が売れる理由

p133 l9 無料公開の出し場所を散らしてしまえば、情報を収集するコストよりも、本を買うコストの方が安いから、ビジネス書ですら無料公開した方が売り上げが上がる。

アプリをダウンロードするコスト、そのアプリ内で課金するコスト、続きを読むのに数週間待たないといけないという時間的なコストなどが、本1冊のコストを安くなるように戦略を考えれば無料公開でも売れるんですね。



努力が可視化される社会

p139 l12 無料公開が常識となった今、実力が可視化されるようになった今、一番の広告は「作品のクオリティを上げること」だ。

無料公開の戦略で勝ち残れるのは常にアップデートしているクリエイターで、努力が実りやすい社会になったと同時に、少しでも手を抜けない社会の到来となりましたが、1日1時間ずつでも努力できる人が認められやすい社会になったと思います。モチベーションが大事になってくる時代が、すぐそこまでやってきている、そんな感覚です。



著作権フリーという戦略

p143 l6 作り手が勝手に制作費を出して、勝手に宣伝してくれるというのだから、こんなにありがたい話はない。

著作権フリーという戦略。それは、共感して広めたいと思ってくれた人が活動しやすくなる仕組みだなぁと感じます。さらに貯信の時代ではアンバサダーで貢献しようという意欲もわきやすいから、もう著作権は必要ないですね。

一昔前は何か知的財産を作ったとしても、それ自体には複製防止機構がないので、損を被るケースも少なくありませんでした。しかし、インターネットによって「数億人が使っている」という付加価値をつけることができ、これはかけがえのないもので、ブランド価値になります。知的財産の対象規模が小さいときには、そういった付加価値がつきにくいので、著作権で保護してあげないと社会が成り立ちませんでしたが、インターネットによってブランド価値がつきやすくなったので、著作権はさほど重要でなくなってきています。




「作りながら売る」効率の良さ

p152 l8 だったら「発売3ヶ月前から予約受け付け」とかセコいことを言ってないで、もっともっと前から予約を受け付けてやろう。アマゾンがダメなら、自分で予約サイトを作るまでだ。

「欲しい」「観たい」と言われても販売期間が先だと購買意欲は低下してしまうので、作りながら売るというやり方は、販売規模拡大にすごく良いと思います。



国民総クリエイター時代の集客方法

p174 l6 これまで僕らは「いかにお客さんを増やすか?」の競争をしてきたけれど、そんなことはしなくてよくて、「作り手」を増やしてしまえばいい。作り手は、そのまま消費者になるから。

1億総クリエイター時代になっていくと、一部のクリエイターと大勢の観客という関係が一気に崩れます。生産者が増えて、消費者が減るわけだから。でも自分が作ったものには誰だって愛着がわくので、いかに多くの人を巻き込んで制作できたかがこれから価値を持って行くはずです。



お土産が売れる理由

p177 l1 「おみやげ」が、楽しかった出来事を思い出す装置として”必要”であるからだ。

「体験」を忘れたくないから「お土産」を買う。すなわち「お土産」=「アナログ的なUSBメモリー」です。スマホが発達して、デジタル的なことはスマホで得られるようになりました。僕自身も小さい頃、映画を見た後にパンフレットが欲しくなったのを思い出しますが、映画館で見た面白かった体験をもう一度、追従体験したいと思ったからだと思います。




想いが強いほど、それは広告になる

p186 l10 広告を作る時は、自分の手から離れても尚、こういった「広告の連鎖」が自然発生する基盤をつくることが大切だ。

p187 l8 このセカンドクリエイターのクリエイター心をいかに揺さぶるか。いかに「作ってみたいな」と思わせるか。

マスメディアのようなただ薄めるだけの広告は個人には打てないけれど、趣味で情報発信者をやっているセカンドクリエイターが多くなった今では、その人たちに「作りたい」と思わせることで、自発的に広告が発生し広まって行きます。

「その人が言うから」は最強の説得力

「誰からの情報か」に価値が置かれて行く時代になっていく。周りと同じことをやっていても、「誰から」の部分の価値は磨くことはできません。

「その人が言うから」「彼がやっているから」

そう言ってもらえるように、自分の価値を磨きながら日々を過ごしていきたいです。




広めたくなる仕組みを作れ!

p191 l14 自分一人で広告をしてはいけない。”広告させる”ことが大切だ。

国民総クリエイター時代の広告は口コミ。

いかに広告してもらうか、広告したくなるように仕向けるか。

改革のファンファーレでは、西野さんが実践した「広告したくなるような仕組み」がたくさん掲載されており、「この考え方」を「この業界」に持ち込めば「こんなことができそうだなぁ」と思うことが多々あったので、少しずつ実践していけたらなと思います。



社会貢献 × エンターテイメント

p197 l4 問題も抱えていた。熱狂と同時に発生するゴミである。ハロウィン翌朝の渋谷はゴミだらけで、社会問題となっていた。

社会問題に対して、エンターテイメント的な視点から解決策を提示していくことは、今後ますます求められていくと思います。



サンタクロースの服が赤い理由

p200 l6 サンタクロースが赤い服を来ている理由は、コカ・コーラ社の都合だ。そこにあるのは、執念とも呼べる”刷り込み作業”

この事実は23年目の衝撃でした(笑)。

「サンタクロースの赤い服がコカ・コーラの都合」だという事実は、コカコーラジャパンのサイトでも公式に発表されています。人は小さい頃に刷り込まれたことに関しては疑わないし、ロングセラーとなり得るということを改めて実感した瞬間でした。



SNSを使った地道な宣伝方法

p205 l11 「#改革のファンファーレ」とタグを付けていただければ、確実に「いいね」を押しにいく。

p207 l8 当然、こういった批判もリツイート&シェアする。

西野さんは、SNSを使って告知するにしてもすごい努力を重ねているんだなぁと感じます。

例えば、ハッシュタグ付きで投稿されたものに対して「いいね」を押しに行ったり、批判をいいね&拡散したり。「いいね」や「拡散」ってボタンひとつの手間だけど、それを毎日複数回繰り返すのは、本当にすごい努力だと思います。



24時間宣伝に使ってもマス広告には敵わない

p210 l4 自分の時間を使った宣伝ではなく、他人の時間を使った宣伝だ。

自分の時間は1日24時間という限界があります。だからこそ限られた時間で宣伝しても、マスメディアには敵いません。相手の時間を使って宣伝してもらう仕組みを作らないとヒット作は生まれてこないのだと思いました。



情報解禁がニュースになる時代は終わった

p215 l6 大切なのはニュースを出すことではなくて、ニュースになることだ。

かつては情報解禁自体がニュースになっていました。しかし、今は国民総クリエイター時代。誰もが発信できるので、公式アカウントで情報解禁したとしても流されて終わることが増えてきています。情報解禁でニュースを出すのではなく「情報解禁でニュースを作る」。それこそが本質であり、大切なことだなぁと思います。



広告とは試行錯誤の結果である

p219 l7 これまで僕とマネージャーだけしか知らなかった講演会のオファー数を可視化

身内でしか知り得なかった数値の中には、公開して可視化できるようにした方がいいものもある。それを出すか、出さないかなどは状況によって変わってくる。


p220 l7 広告とは、常に「最適解」を探す作業である。

広告は市場に出て初めて答え合わせができますが、答え合わせしている頃には結果が出ているという残酷な状況にあります。だからこそ、事前に仮設思考力で最適解を探すことが

必要になってくるのですね。




コミュニケーションでモノが売れる時代

p226 その話を聞いていたスタッフが、その場でアマゾンでポチったのだ。

p227 l1 皆、1500円を持っているのだけれど、本屋には、1500円を出す「キッカケ」がないのだ。

みんな、1500円でいろんなものを買っています。また1万円するものでも即決で買うこともあると思います。人はお金を持っていないのではなく、コミュニケーションの中で、その人の内なるものが掻き立てられたときに、人はお金を払うということ。

SHOWROOMの前田さんも、信頼できる人から勧められた本なら、会話の途中でKindle版をポチるという。「信頼できる人からモノを買う」ということこそが、「信用がお金に両替できる」時代の序章に感じてなりません。



誰だって後悔したくないものだ

p244 l5 お客さんを動かす(モノを買わせる)には、⦅後悔の可能性⦆を取り除いてあげることが重要だ。

僕もその典型例ですが、お客さんは「後悔」や「不安」を感じたら行動しなくなるので、いかにそれらを取り除くかが大事で、「後悔や不安を取り除く」ことも広告になってくると思います。



高寿命社会の生き方とは

p250 l6 「20歳から60歳までの仕事」と「60歳から100歳までの仕事」。僕らはこの人生において、前半と後半で2つの仕事をやらなければならない。

高齢者になる=ネガティブだと捉えると、60歳〜100歳までの期間をどう生きらいいのかわかりません。しかし今後、長寿命化していく日本では確実に20〜60歳と60〜100歳の2ステージが存在していくようになります。

そして、それぞれのステージで何か生きる意味を見つけていく、これからはそんな社会になろうとしているのだと思います。



許され力の能力値

本書では「老人力=愛される欠陥」と定義していますが、これは高齢者に限った話では

ないと思います。身体障害を持つ方や、精神的な疾患を持つ方、片親を持つ子ども、セクシュアルマイノリティといったすべてのマイノリティにも同じことが言えます。「本人の意思でどうしようもない欠陥」はこれからの社会では許容されてるようになり、恩送りが自然と発生していくようになると思います。その仕事を担うのが、マイノリティの方々なのだろう。




価値が経年劣化しない唯一のもの

p261 l1 お金が腐らないから、お金が力を持ってしまった。

お金が兌換紙幣以降から「腐らないもの」となって千数百年が経って、お金が力を持つようになりました。「お金がないと生きていけない」「物が買えない」「食べていけない」と、お金に縛られている人は多いです。

その観点から、西野さんが開発したレターポットでは受け取ってから数ヶ月しか価値を持たないそうです。



古本の新しい価値

p267 l4 孫正義さんが「どこを見て、何を面白がっているのだろうか?」という”孫正義さんの視点”が付加価値となっているからだ。

これからの時代は「誰が」読んだかに価値が高まる時代。

その「誰が」というのは有名人だけでなく、普通の人であっても、その人のことを評価している人にとっては、その人の視点を知りたいと思うでしょう。これからは、そういう関係を作っていかなければならないのだとつくづく思います。



読書を仕事にする方法

しるし書店は、読書という趣味を仕事にし、「読書家」という職業を作りました。これからの時代、好きなことがあれば仕事にできるようになるので、好きなことがない人はただAIに仕事を奪われるのを恐れて待っていなければならなくなりました。落合陽一さんは、そういう意味でも「モチベーション格差が来る」と言っているのかもしれませんね。



西野亮廣さんが最後に言いたいこと

p302 l5 努力だ、圧倒的努力。これに尽きる。(中略)朝4時に起きて、サインを入れて、レターパックに送り先の住所を書いて、郵便局に電話を入れて、配送手配。

西野さんがブログで「あの人は有名だから・」という人に対し「だったら有名になる努力をすればいい。有名になっている人は、2世タレントや犯罪者以外、努力して有名になっている。周りが飲みに行ったり、遊んだりしている中で、罵声を浴びながらも自分を発信する努力をしてきた人たちだ」と言っていたが、その通りだと思う。

たとえば今人気YouTuberのフィッシャーズも、中3の終わりから動画投稿を始めていたが、大きく注目を浴び始めたのは2016年ごろから。特に2017年後半からすごく伸びてきた。それまでは「いつまでやってるの?」とバカにされることも多かったのだとか。


最後に、


西野さんの「改革のファンファーレ」を読んでみて思ったのは、これからの時代、正直者が損をしなくなっていくような気がしました。


何か想いを持って行動している人、

誰かの役に立ちたいと思って頑張っている人、

要領はよくないけれど地道にこなしている人………。


いずれも動き続けた人にのみ、チャンスが回って来るという、非常に分かりやすく、非常に過酷な時代になっていくのだろう。僕も時間を上手く使って、1日少しずつ積み重ねていきたいです。





ケンフィー

「人の役に立ちたい」「人をわくわくさせたい」という想いを持ち、研究活動の傍らオウンドメディアとなる「KENFEE.COM」を立ち上げ、オンラインコンテンツを提供したり、ダブルダッチやイベント企画など多様なことに取り組んでいる。

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